先進広域獣害対策

M村とK村の協力関係

長野県M村は、害獣防護柵が80Kmまで伸びました。毎年着実に防護柵を延長していてに長大柵になっています。長野県は、鳥獣被害金額が北海道に続いて全国2位、作付面積当たりの被害額も高い地域です。そのためか鳥獣被害に対する取り組みの質が高く、とても参考になります。村長の菊池幸彦氏のインタビュー記事によれば「長大柵と超音波装置でシカによる農作物被害を半減させた。」と述べています。半減は、少ない数値と思われ人もいると思いますが、柵内部の林に住むシカの退治や、柵開口部などからの侵入対策が進めば更に被害が減るものと思います。

 

 

隣接するK村でも 同様に広域防護柵が張り巡らされていて、両村の間の一級河川では、防護柵の延長線上に、隣村の防護柵が配置されています。地域を超えた協力関係が構築できていて、効率の良い防護柵の配置となっています。
しかし、法律により、河川への防護柵を設置ができないため、河川では柵が寸断(開口)されています。ここで両村の協力から学ぶ点ですが、両村の防護柵の端にUソニックを使用して、鹿の侵入を防止しています。
河川にUソニックを使用した例は、この地域が最初で、この地域での知恵の出し方に頭が下がります。

2012年4月記載

信州K村視察会にて

今年は被害なし!

 

2010年10月22日、信州K村で鳥獣撃退装置の現場視察会(検証結果報告会)が行われ、多くの役場の方や組合(農家)関係者が集まりました。この設置場所に最も近い場所で耕作している人から、『今年は、被害が無かった!』の一言が、心に残りました。
実証実験報告では、周囲に何十、何百頭の鹿が居る説明がありました。発情期のため、鹿の鳴き声が聞こえ、林の中には無数の鹿が住む雰囲気を感じました。

一足先にユーソニックを導入した隣村のM村の発表者からは、ユーソニックの設置場所は、他の対策方法では難しい坂やカーブがある道路に4ヶ所にしたとの経過説明がありました。弊社方式以外の実験も聞くことができました。パイプを用いた独自対策方法の対策など各種実験をしているようです。各実験結果から最適な対策方法を模索してるとのことです。村を超えた組合間の情報共有や使用者目線からの創意工夫は、見習うべき点が沢山ありました。

ユーソニックの導入に「半信半疑」の声があり、多くは慣れに対する不安でした。その一方で「もう一台ほしい」とか「農家の検証により追加したい」など、期待と少しずつですが信頼を得ているように聞こえました。

~美しい紅葉の信州・K村現場視察会より~

 

無償貸出評価からスタート、購入後も検証を重ねて、次のステップに進める方法となっています。獣害対策方法は、組合の意思で決めて、役場が完全サポートする体制が構築されていて、革新的な活動になっています。組合長さんは、鹿侵入評価や組合員の意見を集約する役割があり重責となっていますが、獣害を減らすベクトルが完全に一致していて、多くの人が視察会に参加するなど助け合いの風土も良好でした。また、農家間、農家と役場など、風通しの良い地域です。

 

エゾシカの実験

北海道のエゾシカが超音波装置の音にどのように反応するか効果を確認する為に北海道に行って来ました。
代理店の協力により実現
1日目 厚岸近郊の良くエゾシカが出没する所に行き
暗視カメラと録画装置、超音波装置を設置し遠隔操作で超音波装置が
動作する事を確認、午後3頃から7時頃まで待てどもエゾシカは現れませんでした
夜空に奇麗な天の川まで見ることができました。実験出来ないで撤退
2日目 ウトロの自然公園ならエゾシカが居るはずと行きました。
居ました、オス1頭、メス3頭のんびりしています。
人を見ても知らんぷり、物音がすると一瞬顔を向けても直ぐに草を食べるためもとの方向に
超音波装置でカラスの音を出すと・・・一瞬振り向いただけー無視されました。
シカ用の音に変更して音を出すと、音の方向をじっと見つめていました。
少しすると2-3メートル後ずさり(装置からの距離おおよそ25-30m)
メスは、また少しすると後ずさりし、また少しすると音の聞こえない方向に移動
オスは、音の出ている方向を見つめたまま動きません、しばらくして少し後ずさり
この時の距離約30-35m、その後も音波の出ている方向を見つめたまま動かない
かなり時間が経過して(おおよそ10分以上)ゆっくりと遠ざかって行きました。
エゾシカがかなり緊張している状態でした。

かなりの効果が有りました。
今年5月に人慣れしたシカの嫌いな音を見つけた時と同じ状況でした。
今年6月に山梨県河口湖近辺の神社に飼われているシカ(奈良から連れて来た)の時は
驚いて一目散に逃げて行き離れた所から装置の方を見ていました。
山梨県鳴沢村の設置では、始めは30m程まで近づいていましたが、
最終的に装置から80mぐらいまではシカが近づいた形跡が無いとの事でした。

実験でシカが警戒するとどうして効果が有ると言えるか
シカに取って嫌な音ですから、次に近寄って来る時には音波のする所に近づかなくなります。
結果としてシカを撃退出来ます。

ビデオの録画も無事に完了しました。
これで、北海道のエゾシカにも効果が有る事が判りました。

2009-12-18