コラム

COLUMN
鳥獣被害対策奮闘記
2024.07.22

ゴルフ場のイノシシ対策

イノシシがゴルフ場に侵入してグリーンを掘り起こす対策として獣害侵入防止柵を設置します。しかし、イノシシは開口部を探す習性があり、やがて閉鎖できない出入口通路などから侵入します。こうなると害獣防止柵の効果が激減してしまいます。

イノシシ対策例

左図は群馬県のゴルフ場の例です。ゴルフ場全周を防護柵で囲いましたが、正門から親子のイノシシが侵入、昼間でも目撃されていました。イノシシは、用心深い性格で夜間に出没するため夜行性のイメージがありますが、本来、昼行性で、危険を感じなければ、昼間から出没します。ゴルフ場に出没するイノシシは、野生の動物が持つ「警戒心」が、希薄になっています。人間への危害や車との衝突などの事故にもつながります。

図のゴルフ場は、黄色の破線で示す位置に鉄柵が設置されています。長い鉄柵を設置した通路でもイノシシの侵入があります。ユーソニックの設置場所は、まず、電源を確保できる場所です。このゴルフ場は街路灯にある給電箱から供給することになりました。

設置場所は、下り方向に約50mの直線道路があり、道路の両側が樹木になっています。樹木の背面にはフェンスが設置されていてイノシシが樹木の後ろに回れない構造になっています。この場所は、設置に最適です。理由は、イノシシがゴルフ場内に侵入するために、イノシシの嫌いな音を長く聞く必要があるからです。自分がイノシシだとすれば、上の写真のユーソニック設置場所に向かって歩くことになります。侵入すればするほど正面からの音量が大きなり耐えられず侵入を断念します。 

このゴルフ場では、標準設置台を使用しました。泥跳対策としてコンテナに上にユーソニックを固定、風で飛ばされないように鎖も併用しました。 

鎖は、装置の取手を通す簡単な固定ですが、盗難防止にもなり、お勧めです。この場所は、樹木により直射日光が遮られるため、寿命面でも有利です。

杭設置台が発売されてからは、設置が簡単な杭設置台が主流になりました。

設置場所のポイント

  • 電源が確保できる場所になります。
  • 装置から出る強い音は、円錐状に広がります。道路幅や間口が広い場合は、装置を後退させます。音が弱い道路端を歩かせないようにします。また、左右に逃げられない通路に仕掛けます。
  • 予想されるイノシシの侵入経路を人間が歩いてみてユーソニック正面が連続して見えるような場所が最も効果が高くなります。イノシシが歩行中、嫌な音を長く聴かされるからです。
  • 侵入路と装置の間には、樹木など障害物が無い場所にします。樹木で嫌な音が遮られると、イノシシは樹木の背面を歩きます。
  • 装置は、「ユーソニック 4SP」もしくは「ユーソニックミニ」が、イノシシ対策に最適です。「ユーソニック 4SP」は、有効範囲が広く動作時間設定ができます。夜間から早朝までの設定、あるいは柵の開口時間を設定します。「ユーソニックミニ」は、タイマー設定機能が無く常時運転になります。
  • 水平もしくは下向き方向に音を出すように設置します。上向き設置は故障になります。下向設置ができない場合は、「ユーソニックアッパー」を選定します。他機種に比べてイノシシに対する有効範囲が狭くなります。
  • 泥はねや、積雪で埋没しない高さに設置します。ユーソニック4SPでは据置設置台、ユーソニック・ミニでは杭タイプを使用することを推奨します。
  • 簡単に持ち去られないようにします。(盗難防止)
  • 台風や強風で飛ばないように固定してください。

設置例(モハラテクニカ製 据置設置台を使用した例)

ユーソニック本体のカタログは

USONIC-4SP-100

据置設置台のカタログは、下記をクリックしてください。
USONIC-4SP-RK05

据置設置台は、杭(ロープ止め)で固定しました。
・据置設置台の底に穴が開いています。
・杭の付属はありません、お客様にて用意してください。
・設置後、上下左右の調整ができます。

USONIC-4SP-100用設置台の取扱説明書は、下記をクリックしてください。
USONIC-4sP-RK05_Instruction manual

仮設置の場合は、簡易設置法を参照してください。

杭タイプ設置台を使用した例

杭タイプ設置台付きユーソニック・ミニの形式名は
USONIC-mini-B5

杭設置台は、USONIC-MINI-PKT 個別でも販売しますがセット品よりも割高になります。

設置手順は、次の項を参考にしてください。
★ユーソニックミニ杭タイプ設置方法

パイプ上部は、ハンマー打ち込み補強しました。パイプ先端は、尖った形状に加工してあります。また、パイプの長さは、1mです。

読売テレビにて紹介されました

2017.11.29 読売テレビの番組「列車とシカの衝突が激減!シカの踏切」の報道中「ゴルフ場のイノシシ対策」が紹介されました。奈良県のゴルフ場の取材で、景観の良い設置になっていたので紹介します。左下写真中央部に小さくユーソニックが見せます。入口通路からイノシシの侵入を防止するため植え込みの中からユーソニック・ミニが顔を出すような設置になっています。右下写真は、中央部を拡大したものです。効果は、「イノシシを見たことが無くなったと」コメントがありました。

これから防護柵を設置するゴルフ場の対応  

開口部を探す習性があるため、防護柵工事と同時にユーソニックの設置をお勧めします。
このときに、イノシシが音を長く聞かせる通路を意識的に作り、ここにユーソニックを設置します。
電源AC100Vが必要になります。電源が取れる場所を意識してください。

防護柵の無いゴルフ場の対応  

重要なグリーンやフェアウエイ近くにユーソニックを仕掛けます。イノシシが侵入すると思われる方向に向けてイノシシの嫌がる音を出します。スポット対応になります。

侵入防護柵について

侵入防護柵は、金網柵、ワイヤメッシュ柵、電気柵、トタン柵、ネット柵などがあります。設置費用と維持費を考慮して設置する必要性があります。金網柵は、景観、耐久性、維持費に優れますが、設備費用が課題です。私が出張したゴルフ場の多くは、コース管理者さんが力を合わせて設置していました。設置後、防護柵の下をイノシシが下を掘って侵入したり、柵を破損したりしますので定期点検が必要です。

ワイヤメッシュは、安価ですが景観が悪くなります。そのため植え込みを利用してプレーヤーから見えなように工夫しているゴルフ場もあります。ワイヤメッシュの繋ぎ部は、強固にしないと隙間を作って侵入します。また、土地の起伏に合わせた設置をしてください。侵入されと予想できる隙間も見受けられました。電気柵は、導入コストが安く済みますが、設置ノウハウと維持管理が難しいようです。ゴルフ場を回ってみると、下草が生えて電圧が出ていないものや、設置高さが悪いものがありました。

  • イノシシの鼻の高さに電線を設置します。イノシシは、鼻で感電させないと効果がありません。イノシシは、下を通り抜けることを好みますが、1m位の柵は、助走なしで飛び越えられる能力があります。
  • プレーヤが感電しないように「高圧注意」の表示をします。SNSで感電した経験談を記載される事例も目にします。
  • 下草を駆除しやすい場所に設置して、定期的に草刈りを行います。
  • 電気柵の高圧側からの電源供給は絶対しないでください。ユーソニックの雷サージ対策箇所が破壊され電源部を破損した事例があります。電気柵の取扱い説明書を読んで正しい設置をお願い致します。

柵内部に住むイノシシ

ゴルフ場の周囲を防護柵で囲ってもイノシシ被害が減らない場合は、ゴルフ場内部で生活するイノシシを疑うことも必要です。ゴルフ場は、イノシシの好む環境が整っています。猟友会に依頼するなどして、イノシシを駆除することが必要になります。

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