千葉県内のイノシシ対策に異変

ユーソニックを設置している千葉県のゴルフ場に訪問した際、「イノシシの増加と放射能について」深刻な話を耳にした。

新聞で調べてみると次のような内容が記されていた。
千葉県内で、農作物を食い荒らすイノシシ対策に異変が起きている。

駆除の担い手である農家や狩猟者の高齢化でイノシシの増加に歯止めがかからない現状に加え、東京電力福島第一原子力発電所事故の影響で肉から放射性セシウムが検出され、食用目的の捕獲、出荷も出来なくなったためだ。2011年度の農業被害額は前年度比13・4%増の2億124万円に上っており、県は新たな対策を検討している。

「これから対策を加速させるところだったのに、出はなをくじかれた」

君津市農林振興課の担当者は、肩を落とす。同市は主にイノシシ肉を対象とした市営の獣肉処理加工施設を新設し、10月17日に稼働許可がおりたばかり。イノシシ肉を特産品としてブランド化することで出荷量を増やし、捕獲を促して頭数減少を加速化させる「一石二鳥」を狙った。

しかし、9月に同市内で捕れたイノシシの肉から、国の規制値(1キロ・グラム当たり100ベクレル)を超える210ベクレルのセシウムが検出され、政府は11月5日、県内全域で出荷制限を指示した。処理加工施設の稼働も、イノシシ肉については中止を余儀なくされた。

イノシシは雑食性で、ドングリやミミズなどを土ごとのみ込んで食べる習性がある。

原発事故で降下した放射性セシウムが雨水に流されて集まり、蓄積した場所で、イノシシが土や泥をのみ込んだために体内のセシウム濃度が上がったとみられている。土を食べないシカの検査では、汚染濃度は低い水準にとどまっている。

県立中央博物館によると、県内のイノシシは1972年度に2頭捕獲されたのを最後に絶滅した後、県外の種が持ち込まれたとみられるという。86年度に君津市で1頭捕まって以降急激に増え、11年度の捕獲数は前年度比19・0%増の1万3717頭だった。被害額は統計を取り始めた99年度は約3200万円で、12年で6倍以上に増えた。

県はこれまで農家が仕掛けるわなや猟友会による有害駆除のほか、食用や娯楽目的の狩猟によって頭数を減らす方策をとってきた。

県内では11月15日に狩猟が解禁されたが、県猟友会事務局長の榎本文夫さんは、「昔は娯楽がなかったからスポーツとして狩猟も盛んだったが最近は減る一方だ。猟だけではイノシシの増加を抑制しきれない。放射性物質が検出されたから猟をやめる人も出るかもしれない」と話し、原発事故によって狩猟がいっそう停滞することを危惧している。(中村みほ)

(2012年12月24日12時48分 読売新聞)

----- その他の放射能に関するもの -----

・栃木県のイノシシ肉とシカ肉から放射性セシウムが1キロあたり262〜1185ベクレル検出されました。(9月27日厚生労働省が発表)

・群馬県桐生市で6日に捕獲したイノシシから、1キロ当たり1058ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表(毎日新聞 2012年11月23日 )

・野沢温泉(長野県)のイノシシからセシウム 100ベクレル超も出荷自粛要請せず

県林務部は21日、下高井郡野沢温泉村で16日に捕獲された雄のイノシシの肉を調べた結果、放射性セシウム134を1キログラム当たり34・8ベクレル、同137を67・7ベクレル検出したと発表した。合計102・5ベクレルで国の基準値(100ベクレル)を超えたが、同部は厚生労働省の指針に従い、同村で捕獲した野生獣肉の出荷自粛などは要請しないとしている。

(信濃毎日新聞 2012年12月22日掲載)

・栃木県日光市のイノシシの肉からセシウムが検出されました。
県環境森林部は3日、日光市で捕獲したイノシシの肉から食肉の暫定基準値(1キログラム当たり500ベクレル)を超える2490ベクレルの放射性セシウムを検出したと発表した。捕獲日は1月19日。 (2012年2月3日 19:35)

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2013年12月に、茨城県のゴルフ場へ装置導入の打ち合わせに行きました。この地域でも、放射性セシウムの影響で捕獲が減少し猪が急増、グリーンを荒ら被害が多発しました。捕獲依頼費用は、年間50万円を超えてしまい、更に捕獲の際に怪我を起こす事故も発生してしまいました。これからは、電柵、鉄柵、ユーソニックでイノシシの侵入を防止するそうです。群馬県の東部でも、セシウムの影響で捕獲する人が減り、イノシシが増える一方だそうです。