コラム

COLUMN
鳥獣被害対策奮闘記

鉄道車両搭載用:風圧試験

北海道管内では、鹿と列車の事故件数が2年連続して2000件を超えているそうです。なんと2005年の2倍の事故件数になっています。

関西方面でも鹿との衝突事故件が発生していて、既存タイプの鳥獣撃退装置を鉄道車両に搭載できないか?の声から開発がスタートしました。この開発のポイントの一つとして、「超音波を出せるスピーカユニットが風雨に耐えられるの?」があります。
机上で良好でも、実際に評価しなくてはと思い、風洞実験設備を公設機関や知人など通じて探しましたが、借りることが出来ませんでした。

そこで考案したの物が、この写真の「提灯アンコウ型評価装置」!です。スピーカユニットの前に提灯アンコウの提灯ようにマイクを取りつけた軽トラックです。このマイクは、超音波領域まで計測可能な優れものです。スピーカユニットを2台搭載したかったのですが、軽トラの幅が狭く1台(片側)になってしまいました。

いよいよ評価試験、車道に出て間もなく道路脇にいた白バイが後から付いて来ました。悪いことはしていないのですが、気分の良いものではありません。数キロ走ると白バイは、離れて行きました。
測定は、撃退装置を動作せずに速度に対する軽トラックの騒音測定と、撃退装置を動作させたときの周波数毎の音出力の測定を行いました。計測しながら高速道路を走行すると、予定より遠くまで行ってしまいました。結果は良好で、風圧に対して影響を受けずに超音波領域まできれいに音を出すことができました。

風洞設備に困っている競合メーカさんがあれば参考にしてください。ただし、警察からの職務質問は各自対応で”笑”。

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